どうせ家を建てるなら注文住宅。と、検討しているものの日々忙しくてなかなかハウスメーカー選びや打ち合わせの時間を取るのが負担だという方は多いかと思います。
それでも家族のため・理想の生活のためと重い腰を上げて、住宅展示場に行ってみたり資料請求してみたりコマを進めてみるものの、いつの間にか保留になってしまうことも…
家づくりが頓挫してしまう理由にはいくつかあります。
- やることや工程が多すぎる
- 考えることが多すぎる
- 日々が忙しい
- 時間調整が大変
- 資金計画が大変
- 書類の用意などが大変
住宅は高い買い物です。おそらくは一生に1回の買い物です。
失敗したくはないですし、丁寧に進めたい。けれども忙しすぎて途中で面倒臭くささが勝ってしまうときもあります。 今回は我が家が家づくりを挫折した経験とそれでも家づくりを再開した理由、オススメしたい効率のよい家づくりをご紹介したいと思います。
目次
注文住宅で家を建てようという場合、基本的にやることは同じです。土地探しから始めるのか、土地はあるから建てる会社から探すのか、まずは資金計画から始めるのかはあるにせよ、どんな家を建てたいのか決めることから始まります。
この情報収集とハウスメーカーや工務店の選定に関する打ち合わせが大変です。初めの1回2回はどんな感じだろうとワクワクするものの、2社目3社目になると同じ自分たちの理想が既に固まっているものだから同じ話を何度もしなければならず、もうめんどくさい…となってしまいがちです。1社と話が進んでも、やはり相見積りは重要ですし複数社を検討しないといけないと話が進んでいるハウスメーカー側からも言われます。じゃあ、と思って再度資料請求しようものなら山のような資料が届き「これを1から見るのか…」となってしまいます。
どのハウスメーカーや工務店と契約するかは一番悩むポイントです。これに関しては、誰かの紹介でもない限り悩まない方はいないと思います。そこを悩むための情報収集であり住宅展示場ですから、ある程度仕方ない部分もあります。ですが、効率的に進めて自分たちにあうところと早く出会って、そのメーカーとの打ち合わせに時間を取りたいものです。
また、木造にするのか、鉄骨にするのか、そして工法についても悩むポイントです。おなじメーカーでも複数の工法を取り扱っているところが多いので、理想の間取りと合わせて考えて、どの工法がいいかを考えることになると思います。しかし、木造の場合2×4工法・木造軸組工法・木質パネル工法などなどたくさんあり、建築を専門としていない一般人にはすべてを理解するには大変です。
今家を建てようと検討される世代の方々は東日本大震災や熊本地震も記憶に新しいと思います。我が家は災害に対する備えを1番に考えていたので、災害対策については1番悩みました。制震や免震について記載されていそうな資料を請求して見比べて、その中でボーダーを決めてある程度の選定を行いました。しかし、それでも省けたのはほんの数社。実際今の多くの住宅メーカーは独自の対策設備を備えていますので、検討が大変難しい状況でした。
一つ一つの工程を丁寧に、そして全てを自分たちで決めて判断しようと思うと、必要以上に悩んでしまうことがあります。やることはそれこそ次から次に出てきます。
プログラミングなどの「要件定義」に近しい部分は、しっかりと行わなければなりません。要件定義の前段階に希望や「○○したい」などの要求がありますが、この部分を疎かにすると、思い通りの動きをしません。それを誰にでもわかるように説明できれば最高ですが、そこまでいかなくても伝える努力をするところは頑張る必要はあります。逆に言えば繰り返し言わなければいけない状況などは省けますし、後からでも挽回できるところは後回しにするなどで、効率化&楽に家づくりができます。
・優先順位第1位は何なのか
・これからのライフプラン
優先順位第1位は何なのか、これが最も重要です。資金計画なのかそれとも間取りの快適性なのか、デザイン性・メンテナンスの楽さ・耐震性・明るさ・周辺環境など様々ポイントはあると思います。どこに比重を置くのかによってどこと契約するのか・どんな工法がいいのかがある程度絞れます。ここだけはハウスメーカーや工務店なんか関係なく、自分たちで結論を出さなければいけないところです。
次にライフプラン。いつまで住むのか・家族構成・生活スタイル・やりたいことなど、これによっても契約するメーカーが絞れます。ここは家族で話し合うことでぼんやりとした理想まで作れれば十分なポイントです。未来のことはわかりませんから、何となくの理想くらいで考えてその生活も可能な家を作っていくくらいあれば打ち合わせがスムーズに進むからです。打ち合わせの中で色々と提案されることにもポジティブに検討が可能になります。最初の情報収集↔️理想の家検討のところが楽に進むと、その分余力を残して次のステップに行けます。ここまでは比較的楽しいところですね。
優先順位を決める為にも比較的力を抜いていてもいい部分を明確にして、楽できるところは楽をするのが家づくりを完遂させるコツだと思います。
・最初の要望提示をまとめて1回で
・細かい資金計画
先程お示しした【ライフプラン】や【優先順位】だけ明確にしておけば、最初の要望提示はタウンライフ家づくりなどのツールを使用することで1回で済みます。間取り・見積もりなどがだいたいではありますが出てきますので、実際に会う建築会社を厳選できます。実際に会う会社を2-3社まで絞り、1度目の打ち合わせで2社まで絞れば、忙しくとも比較検討が楽になります。我が家は2社での比較の時は資料や間取り・設備などを隅々まで検討できたので、納得して契約することができました。
ちなみに我が家は何の知識もない状態で手あたり次第に資料請求を行い、住宅展示場に赴き、タウンライフ家づくりを利用し…と盛りだくさんだったため、資料請求し始めてから実際に動き始めるまでにかなりの時間を消費しました。このロスがなければ、あと半年は家づくりが早まり、給付金なども多かったな、と思うと後悔してやみません。
次に細かい資金計画。これは、現在支払っている家賃や貯金などを明確にしておいて、残しておきたい金額と毎月住宅ローンに支払える金額のみざっくり考えておけば後はファイナンシャルプランナー(FP)さんとの面談で自分が想像していなかったことまで考えられた資金計画が提示してもらえます。我が家はFPさんとの面談を経て、客観的な視点で資金計画を練り直し、助成金などの使用も提示してもらえました。お金の話は未来になってみないとわからないことも正直なところあると思います。子供の学費だって大学に入学するまでわかりませんし、働き続けられるのかもその未来になってみないとわかりません。そんな中で他人から「大丈夫」と言ってもらえる安心感は大きいものです。その方に責任を押し付けるような意味ではなく、自分たちの未来が明るいと前向きに背中を押してもらえることで、様々なプランニングにもポジティブに進めるからです。
まずはライフプランシミュレーション。これはネットでいくつかの項目を入力することで今後の収支などを簡易的に示してくれます。Excelなどを用いて自分で計算する必要がないので、ゲーム感覚で楽しめます。
これでざっくりとした家計収支が見れるので、細かい資金計画を後回しにできます。それに加えて、可能な限りプロを使うこともお勧めします。ファイナンシャルプランナー(FP)の活用です。おそらくハウスメーカーなどとの打ち合わせの中でFP面談をお勧めされるかもしれません。でもハウスメーカーから勧められるFPさんだけだと、ほんとに中立な立場で話してくれているのかどうかがわかなくて不安な方もいらっしゃると思います。ハウスメーカーを経由したFP面談を行うことで家の本体価格が割引になる場合もあるので、面談自体は無料なのであれば受けたらいいと思いますが、個人で面談を行うことも可能です。少し手間ではありますが、セカンドオピニオンと思って面談を受けてみるのをお勧めします。
次にハウスメーカーの資料請求サイトの活用。ハウスメーカーの資料請求サイトはたくさんあり、LIFULL HOME’SやSUUMOなど賃貸でも有名なところがあるので一度は耳にしたことがあるかと思います。我が家は手あたり次第に資料請求を行い住宅展示場に赴き、タウンライフ家づくりを利用し…という過程を経たので、どの方法にもメリットデメリットがあることを実感しています。
各ハウスメーカーから資料請求しても要望の提示をほとんどできないので間取り・見積りなんかはしてもらえません。楽しい資料が入っていることも多いので、その点はメリットといえますが…。それを何社も繰り返すと思うととても効率的とは言えません。たとえばタウンライフ家づくりの場合、間取り・見積りなどを貰う手順はお住まいの地域・家族構成・必須項目を選び、理想の生活など夢を要望欄に自由に記入するだけです。初手でこれを行えたらそのあとの進み方は断然違います。一度覗いてみてください。
便利なものやプロをしっかり活用してうまく家づくりをしていくほうが、家族との時間を優先できます。
その1点だけでも、上記のようなツールを活用することをお勧めします。
疲れた時は、一度中断もできます。決断の連続・判断の連続は想像以上に疲れます。それによって家族の中で不安が生まれてしまっては元も子もありません。目的は「家を建てること」ではなく「理想の生活を送ること」です。一度休んでリフレッシュして、前向きな状態で家づくりに取り組む方が建設的です。
我が家は1か月のお休み期間をもらいました。その期間は、子どもとのお出かけを優先したり、初心に帰って資料を読み返してみたりしました。その時打ち合わせを主に行っていた住友不動産とミサワホームは両方とも、お休み期間を尊重してくれました。我が家が納得できる選択をできることが一番だと言ってくれたことで安心してお休みでき、その後再開した後も前向きに打ち合わせをすることができました。
もちろん休むことにもデメリットはあります。色々な期限が迫ってしまったり、場合によっては金銭的なキャンペーンが終わってしまったり。それでも、納得できる選択をするために休んだほうがいい場合もあります。無理をしてよいことは一つもありません。
実は我が家は2019年に1回目の家づくりをしようとして、挫折しています。この時メインでお話ししていたのはアイ工務店とパナソニックホームズです。今回と同様、土地探しから始める家づくりで、資金計画も何もかも1からでした。その後の転職や子供の予定などはある程度定まっていたものの、今よりも不確定要素が多かったことは事実です。
そのうえ家族の間での話し合いも、今ほど前向きには行っていませんでした。
「なるようになるか」
「まぁ話し合わなくてもなんとなく伝わるだろう」
そのような思いがあったことも否定できません。結果、土地探しの段階で広大な範囲が対象となってしまい、土地探しに疲弊しました。間取りに関する打ち合わせなんか魂が抜けた状態で営業の方の提案するものをハイハイというだけの状態です。我が家の要望なんてほとんど提示できていなかったと思います。
土地探しに疲弊し、なんとか実家近くでお手頃価格の売り土地を見つけたもののそこはいわくつき。売りに出されてはいるものの売買契約が結べるか不明という謎の土地でした。そんな状況に心が折れ、さすがにもう続けられないと妻が判断してすべてをキャンセルしました。そして現在住んでいる賃貸に引っ越し、今の生活を送っています。
我が家の要望がある程度明確になっていたことが 一番の理由です。子どもが少し大きくなり、転職なども終わったことで向こう数年はその土地にいなければいけないことが決定しました。家族の中での家事や育児や仕事の分担・忙しさも見通しがつくようになりました。さらに収入的な面でも安定したため、ローンまでの見通しがついたことも理由の一つです。
もう一つが先に挙げた通り、お休み期間を適宜もらったこと。リフレッシュする期間があったことで前向きになれたうえに、そのハウスメーカーへの信頼感も増しました。自分たちが元気になって、しかも信頼感も増したとなると正のスパイラルですね。お休み期間以降はとんとん拍子で話を進められました。
前回挫折したときは、優先順位も定まっていない、ライフプランも未確定のうえ家族の中での話し合いも未熟と三拍子そろったダメっぷりでした。そりゃあいい営業さんとも会えないでしょうし、会えたとしても我が家の要望提示が出来ていない以上打ち合わせに耐えられないですよね。家づくりが完遂できるかどうかは時の運もありますが、家族の中での意思疎通というのは重要なポイントだと思います。
我が家は要望提示が成熟したことと効率的なツール、可能な限りプロに頼ることを覚えたおかげで、今回の家づくりでは契約までこぎつけました。
家づくりはどうしても時間が掛かってしまい、判断することも多いので疲れますし挫折もしがちです。せっかく理想の生活を手に入れるための家づくりを行うのですから、楽をできるところは楽をして、効率的にできるに越したことはありません。力を抜いけるところは力を抜いて、楽しんで家づくりができることを祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。