先日、電力状況が逼迫とそれに伴う停電の可能性が浮上しました。計画停電で数時間なら耐えられても急に停電するとやはり大変。しかもそれが長期間続く可能性があると、あらかじめの準備が重要になってきます。
そこで今回は停電時に確認しておきたいポイントをまとめようと思います。自宅設備によって必要となるところは違うので関係あるところだけ読んでください。
目次
停電が起きて電気が使えなくなったときには、まず「どこの電気が消えているか」「我が家だけの話か」を確認しましょう。家の中の全電気が消えていて、近所も同様であれば地域全体の話です。住んでいる地域の電力会社(東京電力, 関西電力など)のHPや情報を調べてください。停電している地域や発生日時、復旧見込みなどの情報が順次公開されます。
もし我が家だけの停電であればブレーカーを確認しに行きましょう。ブレーカーが落ちているだけであれば、すぐに回復します。
1電化製品がついたときに火災になる危険性はないか確認(洗濯物がかかっていないか など)
2一部だけブレーカーが[入]になっている場合は一度すべて[切]にする
3アンペアブレーカーが[入]になっていることを確認
4配線それぞれのブレーカーを一つずつ[入]にする
5上記で何か異常があれば電気工事の業者に連絡する
停電が起こると、家の中が真っ暗になりますし冷蔵庫もエアコンも動きません。懐中電灯を探そうにも暗くてどこに何があるのかわからなくなります。スマホの充電があればそれのライトを頼りに動くことになりますが、充電にも限りがあります。それに加えて
・電子錠が利かない
・タンクレストイレが使えない
・火災報知器やガス漏れ警報器が作動しない
・基本的な調理ができない
・お湯が使えない
・タッチレス水栓がつかえない
・立体駐車場や車庫から車が出せない
などの問題が発生する可能性があります。長期間の停電になると浄水場から水のくみ上げができなくなり断水する地域もあります。基地局の電源を使い切る1日を超える停電では、電波がつながらなくなる可能性もあります。
電力需給ひっ迫、台風などの場合、ある程度停電の可能性を見越すことができます。その場合、少しですが準備ができます。
まずソーラータイプのランタンや充電器などは、太陽光にあてておきましょう。1-2時間でも充電できれば安心です。加えて、いざ停電が起こった時に探さずに済むように手元に置いておくようにしましょう。暗くなってもすぐに灯りがつくと、安心度合いが違います。暗くて見えないと家の中でもけがをする可能性があります。そういった危険性を減らすためにも、簡単な明かりの準備は入念に行っておくほうがおすすめです。
- ソーラーランタンなどは蓄電
真夏や真冬は過ごしにくくなってしまうかもしれません。太陽光発電や蓄電池を搭載していない・搭載しているけれど出来たら節約したい方は、電気を使用しないタイプのカイロやうちわなど季節に合わせた準備が必要です。夏であればクーラーボックスの中に保冷材などを入れてあらかじめ飲食物を冷やしておくのもいいかもしれません。寒い時期ならお湯を沸かして水筒に入れておくと、ほっと一息つけます。
- 気温調節の準備
食料品の整備も必要です。基本的に冷蔵庫や冷凍庫は、ある程度中身が詰まっている状態で開閉しなければ停電時も一定時間温度の維持が可能です。冷やしても問題がないものであれば先に冷やしておいて冷蔵庫の温度維持に貢献してもらうのもよいでしょう。当日に使用する予定のものを先に出して調理などを済ませておき、停電時にも冷蔵庫・冷凍庫の開閉をせずに済むよう準備しておくと中のものが腐る心配をせずに済むので安心です。ただ、冷蔵庫などの温度の維持は長くても半日~1日程度ですので、それ以上長く停電が続く可能性がある場合は傷みやすいものから順に使用していく必要があります。
- 冷蔵庫・冷凍庫の整備
調理の準備も重要です。お腹がすいていると不安な状況がさらに不安に感じられてしまいます。ガスコンロをお使いで、電池式の場合は使用できることもありますが、よくわからない場合はカセットコンロやカセットボンベを出しておくことも必要です。暗い中棚のおくにあるカセットコンロやボンベを探し出すのはかなり手間です。
もしカセットコンロなどを使用する場合は、窓を開けて換気を心がけてください。
- 調理の準備
PCを使用している最中に停電が起きると、データの保存ができないばかりかPCに余計な負荷がかかり故障の原因になりかねません。デスクトップPCをお使いの場合はデータの保存や移行を確認し、電源につながない状態でのノートPCなどの使用に切り替えましょう。充電可能なバッテリーの場合はあらかじめ充電しておくと停電後もパソコンが使用できます。
- パソコンなどの整備
停電がいざ起こった!という場合には、慌てずに灯りを準備して、ブレーカーを確認しに行きましょう。我が家の漏電などが原因じゃない限り、ブレーカーは[入]になっている可能性があります。通電する際は急に通電します。ドライヤーやアイロン、ヒーターなどの熱源になりえる家電の電源を落としてコンセントを抜き、火災の危険を回避します。火災の可能性がなくなれば、いつ通電しても安心です。どれが熱源かわからなくなった場合は、いっそブレーカーを落とすという手もあります。これが一番安全です。そのうえで、電力会社などの情報を逐一確認して、停電復旧の目安を確認しましょう。停電から復旧した後でブレーカーをあげれば同時に火災報知器やガス漏れ警報器も作動しますから、万が一火災が起きてもすぐに消火・対応が可能です。
次に先ほど挙げた停電が起きるとできなくなることの対応を一例ですがお示しします。詳しくはお使いの機器のHPを見ることをお勧めします。あらかじめ印刷などしておくとさらに安心です。
電子錠は機種によって停電時の動作が異なります。具体的には以下のようなタイプがあります。
- 自動で施錠されるタイプ
- 停電前の状態を維持するタイプ(Panasonic製など)
- 自動で開錠されるタイプ
- 電池タイプ(LIXIL製など)
電池タイプは電池が切れていない限り停電時も通常通りに使用できます。
物理キーがあり、自動で施錠されるタイプもしくは停電前の状態を維持するタイプの場合はただの家の鍵としてドアノブカバーを外して鍵をシリンダーに入れてあけてください。問題は物理キーを持っていない家族が帰ってくる場合です。可能ならばあらかじめ連絡をとっておき、家に人がいて鍵を開けられる状態になってから帰ってきてもらってください。
自動で開錠されるタイプの場合、早急に帰り中から手動で鍵をかける必要があります。基本的に自動開錠タイプは商業施設などの自動ドアに採用されているので、不安はありませんが、一応確かめておくと安心かと思います。
また、普段オートロックのタイプである電子錠はご家庭でもよく使用されています。停電時にはオートロックが作動していないので、普段以上に防犯には気を付ける必要があります。戸締りをしっかり確認しましょう。
タンクレストイレは製造年、品番ごとに停電時の動作が異なります。具体的には以下のようなタイプがあります。
- 手動レバーが奥の見えない箇所についているタイプ(LIXIL)
- 別売りの停電時便器洗浄キットを接続する必要があるタイプ(LIXIL)
- 停電用ハンドルがカバーに格納されているタイプ(Panasonic アラウーノ🄬)
手動レバーが奥の見えない箇所についているタイプは従来のトイレと同様の操作をして使用することが可能です。
別売りの停電時便器洗浄キットを接続する必要があるタイプは購入していれば接続後にトイレ本体の通常の洗浄ボタンを押してください。見当たらない場合は上から水を流すことによって排泄物を流すことが可能です。大規模災害時でない限り下水管は壊れていないので、そのまま流れていきます。可能性は限りなく低いですがそのタイミングでトイレが詰まっていたら溢れますので、注意しながら実施してください。
どのタイプなのかはトイレの蓋などにある品名、品番を確認してください。
停電用ハンドルがカバーに格納されているタイプは停電用ハンドルを回すことで排水できます。その後停電用ハンドルを元に戻してからバケツなどで水を汲んで、ターントラップ部分に水をためる必要があります。
採用機種にもよりますが、具体的には以下のようなタイプなどがあります。
- 自動的に予備電源に切り替わるタイプ
- 一切の反応をしてくれないタイプ
自動的に予備電源に切り替わるタイプであっても長期間の停電になると電力不足で作動しなくなってしまいます。
ガスや煙の感知器が作動していない場合、火災や一酸化炭素中毒の危険性が高まってしまいます。調理やガス関連の器具を使用する際は、防犯対策との兼ね合いで難しい場面もあるとは思いますが必ず窓を開けて換気を心がけてください。
IHでもガスでも、点火時に電気を使用するコンロは使用できなくなります。ガスコンロで、点火に乾電池を使用している場合は停電時も通常通り使用できます。ガスコンロなどをわかりやすい場所に出しておく等の準備が必要になってきます。スープジャーなど魔法瓶のようなものにお湯とお米、コンソメなどを入れるとリゾット風のものができたり、あらかじめ調理して保温しておくことも可能なので便利です。お米を炊いておにぎりにしておく、卵焼きを焼いておくのもピクニックみたいで1-2食なら楽しめるかもしれません。
ガス小型湯沸かし器などは停電時も使用可能なものがあります。シャワーや蛇口からはお湯が使用できるものもあります。操作盤などは停止しますので、お湯の温度や風呂釜へのお湯はり、追い炊きなどはできない可能性が高いです。
エコキュート🄬などは、タンクの中にお湯が残っている場合、それを使用することができます。取り出し方法は一般的にエコキュート🄬本体のラベルに張り付けてありますので、停電前もしくは明るいうちに写真などに取っておくと便利と考えられます。
タッチレスタイプの水栓は停電時、基本的に使用できませんが手動弁の操作によって水を出すことができます。お湯を使用していた場合は水栓全体が熱くなっていますのである程度覚めてから使用するようにしてください。例えばリクシル製であれば水栓のレバーハンドルを下げて、電磁弁部のタグを外して手動弁を右に回すことで水が出す操作が可能です。レバーハンドルをゆっくりあげて水が出るのを確認してください。
立体駐車場は見るからに電気を使用していますよね。停電が起きると、もちろん動きません。車を使用する予定がある場合や、ハイブリッド車・EV車などの電源として使用したい車をお持ちの場合は、近隣の状況を踏まえてあらかじめ立体駐車場からは出しておくほうが良いと考えられます。
お持ちの車がどの種類なのか、電源として使用したい場合のコンセントの使用や家への接続方法などをあらかじめ確認しておくほうがベターです。
停電は、現代の生活において普通の生活を送ることも難しくする災難です。生活を守る備えはできるうちに済ませておきましょう。
電気を使用している設備の確認
ソーラー機器の充電
説明書などの印刷
停電時の対応を家族で話し合う
以上のポイントを押さえて、なるべく快適に生活が継続できるようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。