6000万の住宅ローンは高額です。しかし昨今の住宅状況を見ると、マンションは6000万以上の価格となっているものが多くあります。都市部の注文住宅で土地込みとなると、これも6000万を超える場合が多くあります。
この記事では6000万円の住宅ローンを返済していく上では重要なポイントを解説していきます。
目次
一般的に無理なくローンを返済できるかどうかの目安は「返済額の割合(返済負担率)が手取り収入の20-25%以内」といわれています。賃貸住宅の場合は手取り収入の30%が目安と言われますが、ローン返済の場合はローン以外に住宅関連費用がかかるために20-25%が目安と言われています。
住宅ローン以外にかかる住宅関連費用としては「火災保険料や地震保険料など保険料」「固定資産税、都市計画税など税金」「住宅のメンテナンス、リフォーム代の積み立て」などがあげられます。
これらを合算しますと年間で23万となります。毎月貯めておくとすると2万程度は用意しておくほうが安心です。固定資産税は土地価格や建物価格によって大幅に変動がありますので目安として考えておいてください。
無理なく返済していくためには、控除の最大化と収入の最大化が必要となってきます。加えて、不測の事態に備えたある程度の余裕が必要です。
・13年間の住宅ローン控除
・5年間の長期優良住宅の固定資産税減免
・金利上昇を見越した余裕
・可能なら頭金を入れる
・繰り上げ返済の計画
・働き続けられる環境づくり
13年間ある住宅ローン控除は最大限利用できるようにローンの組み方を考える必要があります。ペアローンの場合、それぞれの借入金額に応じて控除額が変わります。住民税や所得税からの控除となるので、ふるさと納税を行っている場合は注意が必要です。それらも併せて控除を最大限活用できるように組んでいく必要があります。
また、地域によって期間などが多少異なるようですがだいたい5年間の長期優良住宅の固定資産税減免があります。半額や2/3などになるので20万の固定資産税が10万になります。かなり大きいです。
円安や世界的な金利上昇の影響で、すでに固定金利は上昇傾向です。変動金利も遅かれ早かれ上がるとの見通しがあります。変動金利の場合はその金利上昇分を見越した余裕資金が必要になってきます。金利が1%上がると約1万円程度毎月の負担が大きくなるので、月に1万円から2万円の余裕をもっておくほうが安心です。
また、可能なら頭金を入れることでそもそもの借入金額を減らすことができます。ただし、頭金が貯まるまで住宅購入を見送ると、その分の賃貸住宅の家賃がかかることにもなりますので注意が必要です。
どのタイミングで繰り上げ返済をするのかを計画することも重要です。繰り上げ返済のタイミングとしては住宅ローン控除が終了したタイミングや、教育費の目途が立ったタイミングなどでの繰り上げ返済が多いです。目標とするタイミングまでにどれだけ貯めるかを計画することで不測の事態にも対応できる住宅ローン計画が遂行できます。
収入の最大化には働き続けるか不労所得が必要になります。不労所得は少額ならまだしも住宅ローンを支払うまでとなると難しいので、まずは働き続けられる環境が必要です。購入する住宅について、勤務先までの距離を重視して考える、駅までのアクセスを重視して検討するなど働くことを前提とした住宅購入をすることによって働き続けやすい環境が整備できます。
共働きは収入が二つあるので、ローンの組み方にも幅があります。
住宅ローンを夫婦どちらか1人が契約するというものです。片方の収入のみでローンが完結可能な場合は、片方でローンを組むことができます。夫婦どちらかが収入に波がある場合やローンを組みにくい職業の場合にもメリットがあります。1人でローンを組む場合、諸費用は一人分です。また金消契約なども本人さえいればいいので、その点が楽です。
1人分の収入を基準とした借入れなので、家計の負担にもなりづらいです。一方、借入れ可能金額が低くなりますので、希望の物件に手が届かない可能性が出てきます。
夫婦それぞれが住宅ローンを契約するというものです。各自の収入に応じて借り入れを受けられるので、借入金額を増やすことができるので希望の物件に手が届きやすくなります。住宅ローン減税も夫婦それぞれに利用できることから、限度額まで使用することが容易になります。団体信用生命保険(団信)にも各々が加入することになるので、万が一の保険としても機能します。一方、ローン諸費用が2本分かかってしまうことはデメリットです。
夫婦の収入を合算して住宅ローンを契約するというものです。片方が契約者、もう片方が連帯保証人となって収入を合算する形です。借入可能額は二人分なのでペアローンと同じで、諸費用はローン1本分の金額で済むことがメリットです。一方、団信は契約者しか加入できませんので万が一の場合の保険としては片方分しか機能しません。夫が名義人で妻が連帯保証人となって収入合算をした場合、夫に万が一のことがあればローンはすべて免除されます。しかし妻に万が一のことがあってもローンはそのまま残ります。
我が家の世帯年収は約1200万です。昨年から今年にかけて100万upしました。割合は、夫600万:妻600万の半々です。
手取り収入はそれぞれ400~450万前後です。ちなみに世帯主は妻で、子どもも妻の扶養に入っています。妻の職場には家族手当があることから、全面的に妻が主体となっています。お金のことが得意だという理由もあります。同様に、月額換算では世帯の手取り月収は約67万円になる計算です。
マイサイズの貯蓄率!我が家の場合を徹底シミュレーションしてみた
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあります。我が家は月の返済額が一定になる元利均等返済を選択しています。また変動金利でローンを契約しています。大体月のローン支払いは14万~15万、ボーナス支払いも15万を想定しており、これで当分の間生活していく予定です。
円安や金利上昇傾向によって、金利の動向は先行き不透明です。しかし、現状毎月10万~15万は貯蓄できていることを考えるとその分を投資や繰り上げ返済用の貯金などに積み立てておき、金利が大幅に上がった場合には繰り上げ返済を行って負担を軽減していく予定です。
また、住宅ローン控除もあるので13年間は金利がある程度上がっても収支がマイナスになることはありません。この13年間でどれだけ貯められるかが肝となります。
一番リスクが高いのは2年後、下の子が保育園に入園して上の子が小学校に上がる1年間。その間は保育料が満額かかるので、貯金はあまりできなくなります。そこさえ乗り切れば…と思っています。収入の最大化は狙っていきたいと思います。
とはいえ以上のローン支払い計画は、夫婦共働きが問題なく続くことが前提。どちらかに万が一のことがあると計画は練り直す必要があります。そのために保険にもある程度入っています。
死亡保障はすべての保険を合算するとそれぞれに1000万~1500万ほどになります。
このお金で、片方がなくなった場合の負担軽減につなげようと考えています。
ちなみに変額保険は子どもの教育費を兼ねているので、20年後には解約を検討しています。
妻の医療保険は出産用に上の子を妊娠中に加入したものです。下の子を出産して体調が安定すれば解約するかもしれませんが、そこまで負担もないので検討中です。
我が家が入っている保険
- 夫
がん保険:2000円
収入保障保険:2000円
変額保険:2万 - 妻
医療保険:2000円
がん保険:2000円
収入保障保険:2000円
変額保険:2万
我が家は住宅ローンを組むうえでファイナンシャル・プランナーさんに相談をしています。
老後までの家計収支も含めて計算してもらい、そのうえでGOの判断を頂いています。それでも不安になるのが、住宅購入。今はファイナンシャル・プランナーさんへの相談も無料のものが多いですし、ある程度安心できるまでセカンドオピニオンのように相談をしてみてもいいかもしれません。
住宅購入を主体としてファイナンシャル・プランナーに相談できる内容としては「住宅ローンの銀行選び」「金利選び」「借入可能額」「老後までの収支」などがあげられます。
住宅ローンを扱う金融機関はたくさん存在しており、それぞれ特徴があります。多くの候補を知っておくことで、最適なものを選べるのではないかと思います。
また、住宅ローンの返済で一番悩むのが「金利選び」。説明を受けて理解しても、不安になってくるのが正直なところですが、体系的な説明を受けることで安心できる部分あります。
そして気になる「借入可能額」や「返済可能額」についても教えてくれます。無理のない生活をしていくために、今後起こりうるライフイベントを盛り込んだ「老後までの収支」まで合わせて検討してくれるので、お金の話が好きな方には楽しいのではないかと思います。
6000万円の住宅ローンは高額に見えて不安になってしまうかもしれません。手取り収入の25%という基準さえクリアすれば絶対に大丈夫というものでもなく、それぞれの家庭に合わせて考える必要があります。
周りの無責任な発言に流されず理想の生活を送るために自分の世帯に合った方法でローン返済計画を組むことが重要です。